第46回 相手の心に届く「Iメッセージ」

第46回 相手の心に届く「Iメッセージ」

皆さん、こんにちは!

 

 

豊かなコミュニケーションを築くためには、相手の思いを受け止めることと共にこちらの思いを相手に伝えることが大切となります。その伝える時、伝える表現方法によっては、相手がよく理解できる場合もあり、理解しがたい場合もあります。

 

 

理解しがたいというのは、知的に内容が分からないというだけではなく、情的に受け入れ難いという反発する思いなどもあります。人間関係の良し悪しは後者の情的に受け入れられるか、受け入れられないかが重要な要因になります。

 

 

そこで、相手が受け入れやすくなるための表現力を磨くことが大切となります。

 

 

 

表現の仕方次第では、相手に対する指摘や依頼、さらには反対意見だったとしても相手の心に冷静に心地よく届く場合があります。では、相手の心に届く表現方法について紹介致します。

 

まずは

 

「自己開示の表現」

 

があります。

 

 

Iメッセージ

 

 

■ゲーテの言葉に

 

「手は手でなければ洗えない」
          (ゲーテ)

 

というものがあります。

 

 

 

汚れた手を洗い流そうとしても手を使わなければ洗えないのが当然です。

 

 

同じように

 

 

「相手の心を動かすためには自分の心を動かさなければならない」

 

 

ということです。

 

 

正に

 

 

「相手の心を開くためには、まず自分の心を開かなければならない」

 

 

ということです。

 

 

一般的に相手が心を開くことや心変わりすることを待っていることが多いものです。心の開示をすると傷つくのではないかという不安を持っているので、無意識に抑制してしまいます。

 

 

ですから、こちらから心を開いて

 

 

“言いにくい本音”や

 

 

“悩み”

 

 

“苦しみ”

 

 

などの感情表現をすると相手が安心して本音を吐露することがあります。人間は相手が心を開けば恐怖や不安、緊張感が取れて自分の心を開きたくなるものです。

 

 

これは、自己開示の総合性と言われています。

 

 

自己開示の度合いが高くなればなるほど、相手の自己開示の度合いも高くなるという法則です。このように、自己閉鎖的表現ではなく、自己開示的表現を心掛けるならば親密なコミュニケーションになることでしょう。

 

 

まず、私から心を開いてみましょう。

意欲的表現と自発的表現

意欲

 

次に、 義務的表現  ⇒ 意欲的表現  への転換があります。

 

 

例えば、

 

 

「しなければならない」

 

 

という

 

 

「〜ねばならない」 調の言葉を口癖にする人がいます。

 

 

そのような言葉は相手の義務感に働きかけますが、何か窮屈な感じがします。行動を規制されたり、縛られるようなイメージがあります。

 

 

そのような言葉よりも

 

 

「あなただったらやれますよ!」

 

 

「できますよ。取り組んでみましょう!」

 

 

という肯定的な意欲を引き出す表現が有効でしょう。

 

 

 

さらに、指示的表現  ⇒  自発的表現  も大切です。

 

 

例えば

 

 

「〜してはいけない」

 

 

「〜するべきだ」

 

 

という指示する表現、

 

 

命令する表現も同じく繰り返されると窮屈なイメージがあります。指示・命令が繰り返されると威圧的な言葉に聞こえて、時には反発を感じる場合もあります。

 

 

子供に対する親の言葉も

 

 

「あれしなさい!」

 

 

「これしなさい!」

 

 

と連発されたら子供も反発するでしょう。

 

 

それよりも

 

 

「これができるとおもうよ」

 

 

やってみたらどう?」

 

 

「あなただったらできるよ」

 

 

と、うながす言葉を繰り返したら、子供も前向きに考えて行動しやすいものです。

 

 

 

このような 肯定的な促し は子供がやりたい気持ちを抱くような表現、自発的に動きたいと思える表現の一つかと思います。

 

 

全ての人間関係も基本的には同じです。

 

 

「やってみたい!」

 

 

という意欲を引き出す、

 

 

活力を呼び起こし自発的に行動するように促す言葉を工夫してみましょう。

 

 

このように、意欲的表現や自発的表現を使うと共に、さらに相手の心に届く表現を紹介致します。

Youメッセージから I メッセージへ

Iメッセージ

 

それは、

 

 「Youメッセージ」 ⇒ 「 I メッセージ」

 

の表現に変えるということです。

 

 

伝え方には、いろいろありますが大別すれば二種類の表現があるといえます。それが 「Youメッセージ」と「Iメッセージ」 です。

 

 

文字通り

 

 

■「Youメッセージ」 とは・・・

 

 

主語が「あなた」となるメッセージであり、

 

 

「Youメッセージ」 =主語が 「あなた」

 

 

 

■「Iメッセージ」 とは主語が「私」となるメッセージです。

 

 

「Iメッセージ」 =主語が 「私」

 

 

 

日頃、私たちが使う表現はどちらの方でしょうか?

 

 

話す内容が自分に関する内容であれば、「私」が主語になり、「相手」に関する内容であれば、「あなた」が主語になることが普通かと思います。

 

 

しかし、「相手」のことに関することでも「私」を主語にしてみましょう。

 

 

というのが、 「Iメッセージ」 のポイントです。

 

 

では各々メッセージは、相手にどのような印象を与えるのでしょうか?

 

 

例えば、

 

 

「あなたは、もっとこうしなさい!」

 

 

という命令の言葉は 「Youメッセージ」 であります。

 

「命令・指示・提案」 「Youメッセージ」 となっています。

 

 

「あなたはこうすべきだ」

 

 

という指示のメッセージ、

 

 

さらには

 

 

「あなたは、こうしたらいいのではないですか?」

 

 

という提案のメッセージも全て 「Youメッセージ」 になります。

 

 

 

この 「Youメッセージ」 は、相手に行動させようとするので、時には反発心や抵抗を感じる可能性が高くなります。

 

 

そこでこのようなメッセージを

 

 

「Iメッセージ」

 

 

に変えて表現してみると

 

 

相手の反応が違ってくるはずです。

 

 

素直に受け止めやすく、反発心も出てこないものです。

 

 

 

正に

 

「Iメッセージ」

 

 

=「愛メッセージ」

 

 

になりやすいという特長があります。

 

 

 

例えば、次のような夫婦の会話があったとしましょう。

 

 

妻が大きな音で音楽を聞いている場面で、夫は次のように言いました。

 

 

「おまえはうるさいんだよ!いい加減しろ!」

 

 

と 「Youメッセージ」 で言いました。

 

 

この言葉は、指示・命令で大変きつい言葉になっています。

 

 

妻は反発して言い返すかも知れません。

 

 

しかし、そのような時、 「Iメッセージ」 で表現すれば、

 

 

次のようになるでしょう。

 

 

「いやあ、大きな音で頭が痛いよ」

 

 

「もう少し静かにしてくれるとうれしいのだけれど」

 

 

と言いました。

 

 

 

この文章は

 

 

「大きな音だな」(事実)

 

 

「頭が痛い」(影響や状況)

 

 

「静かにしてくれるとうれしい」(感情)

 

 

「大きな音だな」という事実、

 

 

「頭が痛い」という影響や状況、

 

 

さらに「静かにしてくれるうれしい」

 

 

という感情を表現しました。

 

 

このように、「Iメッセージ」 のポイントは

 

 

・相手を非難しない

 

 

・自分の感情、意見を正確に伝える

 

 

・「私は+状況(事実)+こう感じる」

 

 

 

 

の順序で話す

 

 

ということです。

 

 

 

親子の会話の例を紹介致しましょう。子供が母親の手伝いをしてくれた場面です。その時、多くの母親は次のように言うことが多いでしょう。

 

 

それは、

 

 

「○○ちゃん、お手伝いしてくれて、いい子ねぇ〜」

 

 

と褒める言葉です。

 

 

これは 「Youメッセージ」 ですが、

 

 

このような表現をした場合、良い子という評価ためにお手伝いする子になる可能性があります。一方的に評価されただけなので、自分を尊く思う自尊心も育たず、人の目や評価に左右されるかも知れません。

 

 

そのような時、 「Iメッセージ」 で表現したら、

 

 

次のようになります。

 

「お母さんは、やることがいっぱいで大変だったけど、○○ちゃんが手伝ってくれたおかげで助かったわ〜。とてもうれしかった。ありがとう」

 

 

となります。

 

 

子供にとって母親から、

 

 

 

「助かったわ」

 

 

 

「うれしかった」

 

 

 

「ありがとう」

 

 

と感情表現されることは、

 

 

 

「いい子ねぇ〜」

 

 

と評価される以上にうれしいものです。自分には人を喜ばせて、幸せにできる力、能力があると感じたり、自分の存在に誇りを感じる自尊心も育まれていきます。他のために貢献することが喜びとして感じる、自己実現型の人になることでしょう。

 

 

 

また、人にアドバイスする時も 「Iメッセージ」 が有効です。

 

 

例えば、

 

 

「あなたは家族とけんかばかりしているので、もっと大切にしなければいけない」

 

 

と 「Youメッセージ」 で伝えるよりも

 

 

 

「私は家族を大切にすることが大切だと思います」

 

 

「あなたが家族とけんかしている状況を本当に心痛く感じます」

 

 

 

と 「Iメッセージ」 で伝えた方が肯定的に受け止めやすいものです。

 

 

 

次のような場合もあります。

 

 

「あなたは私の言葉を信じてやるべきですよ」

 

 

という 「Youメッセージ」 よりも

 

 

「私はあなたがこの言葉通りにやってくれることを信じています」

 

 

「迷うあなたの気持ちもよく分かります」

 

 

 

と 「Iメッセージ」 で表現した方が心に届くことでしょう。また、上司と部下の関係においても同じです。

 

 

一方的に評価されるよりも

 

 

「あなたの、あの一言で勇気がわきました」

 

 

という 「Iメッセージ」 や、

 

 

「君の仕事振りを見ているとこっちもやる気が出てくるよ」

 

 

という 「Iメッセージ」 の方が大変嬉しいものです。

 

 

このように、人は誰もが自分の存在や行動が他人にどのように影響を与えているのか?気になっています。

 

 

本心では他人が喜んでくれることを、感謝してくれることを望んでいます。「Iメッセージ」 を通じて、それが確認された時は存在価値が確認され、非常に嬉しくとても心に届くものです。

 

 

このような 「Iメッセージ」 は評価する側と評価される側が上下関係になるのではなく、

 

 

「Iメッセージ」・・・相手を尊重した対等な関係に導くメッセージとなります。

 

 

相手が誰であっても 「Iメッセージ」 を通して信頼関係を築いていきましょう。では、今回ポイントを確認しましょう。

 

 

 

■コミュニケーションのポイント

 

 

 まず自分から心を開いて本音の交流をしてみましょう。

 

 「しなければならない!」「してはいけない!」という言葉よりも、「できる」「やれる」「したい」という言葉を使いましょう。

 

 「可能性」を探す対話をしましょう。

 

 「事実」と「私の感情」を表現しましょう。

 

 

 

このように、相手が受け止めやすい表現をしてあげることは「愛する能力」の一つです。

 

 

「Iメッセージ」 で愛を実践しましょう。

 

 

 

以上で終わります。ありがとうございました。

 

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