第38回 人を伸ばすコーチングとは?

第38回 人を伸ばすコーチングとは?

今回のテーマは、「第38回 人を伸ばすコーチングとは?」と題してお話します。

 

コーチング

 

コミュニケーション能力の中に人を伸ばすというものがあります。そのためのコミュニケーションスキルのことを

 

 

「コーチング」

 

 

と言います。

 

 

人を指導するということは、相手を成長させること、できる人に導くこと、言葉を変えれば自己実現できるように援助することです。自己実現とは、その人が本来持っている能力や可能性を最大限に発揮することを言います。この自己実現できるように援助することを

 

 

「コーチング」

 

 

と言います。

 

 

コーチングとは?

 

「自己実現できるように援助すること」

 

 

それは正に

 

「コーチング」

 

相手の能力を最大限に引き出し目標達成をサポートするためのコミュニケーション・スキルです。

 

 

スポーツの世界では監督とコーチという立場があります。監督は、全体に責任を持ち、指示、命令する立場であり、コーチとは、選手に援助的指導をする立場でしょう。

 

 

今、監督型指導より、コーチ型の指導が注目されています。一般的人材育成は自ら考え、自ら動ける自立型人材に導くように目指しますが、コーチングでは、自立型人材育成を一つの通過点として個立型人材を育成するところまでを目標とします。

 

 

「自立型人材」

 

→ 「個立型人材」

 

 

この「個立型人材」とは

 

 

自らの持っている能力や個性を最大限に 発揮できる人材です。さて指導するということは援助するということでありますが、

 

 

その援助する方法として二つあります。援助という言葉を辞書で調べるとヘルプとサポートていう二つの言葉が並んでいます。

 

 

援助とは?

 

 

ヘルプ

 

 

サポート

 

 

しかし、実際はこの二つの言葉には天と地ほどの大きな違いがあります。

 

 

「ヘルプ」は

 

 

「できない人」のためにその人に代わってやってあげること

 

 

です。

 

 

例えば、幼い子供を親が世話したり、保護することは 

 

 

「ヘルプ」 です。

 

 

一方、

 

 

「サポート」は

 

 

相手を「できる人」と捉えて脇で見守り、より良くなるために必要なときに手を貸すことです。子育てにおいても子供が成長し、自立していくならば、幼い時とは違って主体性を持って何でも自分で責任を持って取り組もうとします。

 

 

その時、親は子供を見守りながら必要な時だけ手を貸すサポートの姿勢が大切になります。このように、子供だけではなく、大人に対しても援助する時、ヘルプとサポートの二つ方法があるということです。

 

 

 

ヘルプは一見、全てをやってあげることですから、とても親切な行為のように見えます。ところが、それは時には相手に対して「できない人」、自分ではどうすることもできない「無力な存在」として見る否定的な人間観があります。

 

 

できない人に対してやってあげる、答えを教えてあげる、やり方を教えてあげるとなります。そうなると、やってあげる人とやってもらう人という上下関係になりやすく、コミュニケーションも指示命令型のコミュニケーションが基本となります。

 

 

 

やってもらう人は、当然指示待ちの姿勢や依存型となり、主体性や責任感、自発性は育ちにくくなります。

 

 

この二つの観点で、

 

 

「指導」

 

 

というと二つの形態ができます。

 

 

●指導には

 

 

「ティーチング」と「コーチング」です。

 

 

 

◆「ティーチング」

 

 

魚の獲り方を教えること

 

 

であるとするならば、

 

 

◆「コーチング」 

 

 

魚の獲り方を一方的に教えるのではなく、

 

魚の獲り方を一緒に考えて、編み出させる

 

ようにサポートすることです。

 

 

 

サポートは相手を無限の可能性を持った有力な存在として見る肯定的な人間観があります。

 

 

人間は一方的に教え込まれた場合、成長には限界があります。

 

 

「言われた通りにやりなさい!」

 

 

「やったようにやりなさい!」 

 

 

と言われ続けると時には、人は力を失ってしまいます。成長しません。

 

 

「成長するためには・・・?」

 

 

「任せる」「責任をとらせる」ということが大切となります。

 

 

 

私自身の人生の主役は当然、「私自身」となります。私の人生の責任者も当然、「私自身」です。

 

 

その本人が責任を持ち、「できる人」になるためにはあくまでも本人が主役となり、指導者はサポートしていくことが必要です。

 

コーチング

 

 

子育てにおけるサポートも

 

 

「あ〜しなさい!」

 

 

「こうしなさい!」 

 

 

と逐一、

 

 

子供のすべき事を指示することではありません。

 

 

子供は自分で学び、発見できるように親が子供の邪魔をしないで、必要な時に手を貸すことなど、子供の人生を子供に任せていくことです。

 

 

そのために子供は成長すると好奇心や、やりたがりという心が湧いてきますが、これは自立して生きていく上で必要なことを学ぶために与えられた力といえるでしょう。

サポートする姿勢

サポートする姿勢には、相手に対して「できる人」と尊重する、可能性を信じる肯定的な人間観が必要です。

 

相手を尊重し、相手を「できる人」として、その可能性を信じる肯定的な人間観を持つ、そして、どんな人も成長したいと思っているし、成長できると考えます。

 

人は誰もが自分を信じてくれた人の期待に答えて成長しようとします。2000年、シドニーオリンピックで女子マラソンの金メダリストになった

 

コーチング マラソン

 

 

「高橋尚子選手」

 

 

がいます。

 

 

彼女を指導した小出義雄監督は、

 

 

繰り返し

 

「お前は一番になれる。絶対なれる。世界一になれる」
(小出義雄監督)

 

と言い続けたという話は有名です。

 

 

無名の高橋選手を正に、世界一にしたのは監督のヤル気を引き出し、才能を伸ばす

 

 

「コーチングの力」

 

 

ではないでしょうか?

 

 

一方的に教え込むだけではなく、あくまでも責任を持たせ意欲を掻き立てる言葉を投げかけます。高橋選手は、ズバ抜けた素直さと前向きさを持っていると同時に、主体性を持っていることが魅力であります。

 

 

このように、心から信じてくれた人に対しては、心からそのようになろうと努力するものです。尊敬心を持って接してくれた人に対しては、自然に尊敬の心を持つようになります。

 

 

そこで、サポートするためにはヘルプのような指示・命令型の一方向のコミュニケーションではなく、双方向のコミュニケーションが必要になります。

 

 

 

●サポートするためのコミュニケーション

 

 

「指示・命令型の一方向」 

 

 → 「双方向」

 

 

ヘルプを通しての関係は上司と部下のような上下関係となります。サポートを通しての関係は、縱の関係になったり、横の関係になったり、様々に変化しますが自由な雰囲気と友好的な関係をつくりやすいものです。

 

 

ヘルプはヘルプする人が常に主体であり、指導権を握っており、ヘルプされる人は常に受け身となります。

 

 

しかし、

 

 

「サポートは、サポートする人ではなく、サポートされる人が主役であり、主体となる」

 

 

となるので、のびのびと主体的に行動していきます。

 

 

 

今までは、高い所から低い所へ水が自然に流れていくように上から下へのコミュニケーションが常識でした。答えを持った人が、上に立った人だったので指示・命令型コミュニケーションとなります。

 

 

生産者から消費者へ、会社から顧客へ、政府から国民へ、先生から生徒へ、上司から部下へ、親から子へ、一方通行的でしたが、時代の変化と共にコミュニケーション形態も変化しています。

 

 

上の人が持っていた答えが最善ではない場合もありますし、逆に下の人が持っている場合も多くあるでしょう。

 

 

例えば、従来の経済の仕組みは生産者本位でありましたが、今は消費者のニーズに合わせた物造りがメーカーにとって、欠くことの出来ない視点になっています。従来、生産者が持っていた答えが消費者の方へ移ったと捉えることができます。

 

 

このように、消費者本位の物造り、顧客本位の営業、生徒本位の教育、市民本位の政治、患者本位の医療など答えが移りつつあることを示しています。

 

 

人間と自然の関係も人間の一方的な要求によって、自然破壊がなされ、学校の先生と生徒の関係も先生の一方的な要求によって学校崩壊になっている可能性もあります。

 

 

企業でも上司が部下に一方的に指示して、部下を変えるのではなく、上司自身が部下への接し方、働きかけ方を変えるという本質的な変革が必要になっています。

 

 

そこで、

 

「上下関係的支配型の関係」

 

→ 「パートナー的協力型の関係」

 

 

が必要となっています。

 

 

 

そこで必要なのが、

 

 

「双方向的コミュニケーション」

 

 

であり、それを実現させるのが・・・?

 

 

質問です!

 

 

「双方向的コミュニケーション」 =  「質問」

 

 

「質問」を通して、

 

 

「相手の能力を引き出す、伸ばす」

 

 

これがポイントとなります。

 

 

 

ですから、答えを持って権威的に一方的に教え込むのではなくて、

 

「質問」

 

 

を通して

 

 

・相手に気付かせる

 

 

・悟らせる

 

 

・主体的に行動させる

 

 

 

という結果を出させる為には、双方向のコミュニケーションが必要になります。このように、コミュニケーション文化の変化が訪れています。「答え」が上から下へと動きつつある原因?は、大きく分ければ二つ考えられます。

 

 

 

一つは、マルチメディアやインターネットに象徴されるように情報の平準化が成されて、誰でも瞬時に多くの情報を得ることができる時代になったことです。今まで少数の権力者たちだけが握っていた情報をその他、大勢の非権者たちが入手することで、その権力者たちが持っていた権威は、当然縮小します。

 

 

一部の人たちだけが、情報や答えを持っている時代から答えが分散化する時代となったということです。

 

 

@情報の平準化

 

 

A人間観の変化

 

 

「否定的な人間観」

 

 

→「肯定的な人間観」「不信感」→「信頼感」

 

 

 

また、もう一つは人間観の変化があります。以前は、人は基本的に怠惰であり、飴とムチによってコントロールしない限り動かないという否定的な人間観がありました。

 

 

しかし今や、人は基本的に勤勉であり、条件や環境さえ整えば特に周りから言われなくても、自発的に動くという肯定的な人間観を持つようになりました。

 

 

人に対して不信感を持つよりも信頼感を持つ関係性が大切だという心の本性が高まったことです。この事からコミュニケーション文化が変化していったともいえます。

 

 

このように、全ての人間関係の中で信頼感を持って双方向のコミュニケーションをとるということが必要な時代となりました。

 

 

では、今回のポイントを確認してみましょう。

 

 

実践のポイント

夫婦 改善 

 

相手の「能力や可能性を最大限に発揮させる」コミュニケーションを心がけましょう。


相手を「できない人」と見るのではなく、「できる人」として信頼しましょう。


「ヘルプ」よりも「サポート」して、「主体性」「責任感」を伸ばしましょう。


「指示・命令の一方向のコミュニケーション」から「双方向のコミュニケーション」を意識しましょう。


 

 

このように、コーチング的コミュニケーション文化を創り、人を伸ばす人(夫婦・親)となりましょう。

 

 

以上で終わります。ありがとうございました。

 

 

次回は、「第39回 解決を見出す質問力」です。

 

 

お楽しみに!

 

 

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