第11回 大切な家事

第11回 大切な家事

子育て 対応

 

今回のテーマは、「大切な家事」としてお話致します。ある奥様から相談を受けた時の話です。「子供のことで相談があります」と言われ、私はどうされましたか?と聞きました。

 

自分の子供は、小学生の時はとても元気な子供だと思っていたのですが、中学生の頃になると情緒不安定になり、そして高校生になると一種の無気力性のような状態になったというのです。

 

夫婦の関係はそんなに悪くないし、子供の教育も関心を持ってきたつもりだったけれど、何でこのようになってしまったのか分かりません。このような悩みを持って来られたのです。私は、いろいろ詳しいことを聞いていくと家事と育児の在り方が問題ではないかと思うようになりました。

 

最近の傾向として、家事を嫌う女性の方が増えてきました。料理、洗濯、家の掃除、庭の手入れを単なる労働と見なす傾向が強くなりました。そして、それを合理的に考えて簡略化してしまうことが多くなってきました。

 

ですから、家事や育児をできるだけ時間を合理化して、自分は仕事ややりたいことをどんどんやるという方が多いのです。ところで、「家事」というものは、どのような意味を持っているのか?そもそも家事って意味があるのでしょうか?こんな事を考えたことはあるでしょうか?

 

今回は、ここに焦点を当てて考えていきたいと思います。

 

人間として一番大事なのが、心が豊かになる、すなわち、円満な人格を育むことがとても大切なのですが、その人格の成長には「愛情と言葉」が不可欠となります。

 

動物は、物を食べて、飲んで、運動すれば大きくなるのですが、人間は肉体だけでなく、心、人格というものが備わっていてこれをいかに円満な人格として育てるか?これは、人間の人生にとってとても大切なこととなるのです。

 

ですから、私たちの一生を見て見ると、まず人は、お母さんのお腹の中で育ちます。その頃は、胎教と言って綺麗な音楽を聴いたり、お腹を優しく撫でながら、赤ちゃんに言葉を語りかけたりします。

 

子供が生まれると、言葉、抱擁などのスキンシップなどを通して直接的な愛情を伝達するし、間接的な愛情の伝達として、食事を与え、衣服を着せてあげ、オモチャなどの遊具を与える事を通して伝わる愛情というものがあります。

 

ですから、母親が家事を粗末にすると夫婦・親子の間に安らぎや癒しの世界中が失われ、子供の情緒が育たなくなる場合があるのです。そこで、家事の中で中心になるのが、炊事、料理だと思います。

 

愛情の込められた料理は心を豊かにする

子育て 愛情

 

動物は、焼いたり、煮たりせず、自然の物をそのまま食べていけば、成長していくのですが、人間の場合はそうではありません。肉、魚、野菜、果物という自然な食材に対して手を加えること、調理というものが入ります。

 

調理は、食べて美味しくするということもありますが、実は人の心を込める、愛情を投入するということが大切なのです。ですから、料理の本質は、調理する者の愛情を投入する行為、愛情の間接的伝達方法といえるのです。

 

お母さんが、時間、労力、愛情をコメディアン作った食事には、物質的栄養素だけでなく、愛情が込もっているのです。子供は、その食事を何回も食べることで、物を媒介にして愛情が届いていくのです。

 

私の経験なのですが、外で食事をしてバイキング料理というものを食べた時に、それなり味はいいのですが、満足感というか、これは美味しいというものに出会ったことがないのです。

 

反対に、ある料亭のような所で 板前さんがお客様の為に丹精込めて作った料理というものは、これは美味しいという経験をしたことがあります。

 

また私の学生時代、高校は弁当だったのですが、母の作ってくれる弁当は決して贅沢なものではないのですが、美味しく食べることができたのです。何か、心まで満たされるのです。

 

ある料亭の板前さんが言うには、幼い頃、母親が作ってくれた一つのおにぎりの味を越えるものを自分は作れなかったというのです。いい食材で、いい調味料を使って、調理を完璧にすれば、美味しいものはできるけど、しかし、心は満たされないという話でした。

 

料理は愛情を伝達する手段

結局、私たちは技術によって舌は満足させることは出来ても、心は満足させることは心によってしか出来ないのだなと感じたのです。ところで、最近は無気力な子供が増えていると指摘されますが、この無気力には「気」という言葉があります。元気とか気功、気学というものがあります。

 

この観点から食事を見てみると、気の込もった食事を食べた子供は、気力のある子供に育つといわれます。反対に、気の込もっていない食事ばかりを食べた子供は、無気力になる傾向にあります。

 

例えば、インスタントの食品、既成の食品ばかり食べて育った場合、愛情のこもらない食べ物になり、私たちの霊性、愛情を育てることができないのです。このように、気の込められていない食事は、動物が食べるエサと変わりないともいえます。

 

冒頭でお話した奥様も、仕事で活躍するあまり、家事や育児に時間もさけないので、合理化してきたのです。朝は、簡単なパンだけで、昼食は給食、夜は外食や冷凍食品をレンジでチンするだけ、あるいはデリバリーで注文するものだったということです。

 

育児も託児所、保育園で育つという環境で、大きくなった高校生の時に無気力性のような状態になってしまったというのです。もちろん、無気力状態になる背景には、複数の要因が考えられます。しかし、このような愛情の欠如があると考えられます。

 

以上のようにみると、「家事」というものは、とても尊いものであり、愛情を伝達する手段なんだと感じるわけです。料理をしたり、洗濯をしたり、部屋の掃除をしたり、庭の手入れをすることは、私たちの思い、念、愛情を移入し投入する方法であるということです。

 

 

こんなこともあります。心の中に怨み、憎しみの思いを持って作った食事を何度も何度も食べると、本当にお腹を壊したり、鬱になったりすると聞いたことがあります。愛情を持って作られた食事と怨みの思いを持って作られた食事とでは、受ける影響が違ってきます。

 

ですから、私たちは愛情の込められた食事を食べる、愛情を持って洗濯された衣類を着る、愛情を持って掃除された部屋に住む、丹精を込めて手入れされた庭の花や木に囲まれた場所は、私たちに喜びや安らぎ、気力というものを与えられて心が育まれていくのです。

 

ここで、興味深い話があります。

 

料理すると若返る?

 

料理 若返る

 

〜「料理の効用:脳研究の川島隆太教授」〜

 

東北大学に川島先生という脳の研究で有名な方ですが、この先生の研究で、よく料理をする場合と料理をしない場合とでは、明らかに違いが出るということです。

 

料理をよくする場合は、手先を使いながら、頭で一生懸命工夫しながら料理を作ると、脳の年齢が若返り顔のシミが減って肌が若返るというのです。

 

結婚すると、特に女性は家事や育児に多くの時間を費やします。

 

そんな時、一度は考えたことがあると思いますが、なぜ人は1日に3度食べるのか?朝、朝食を準備して食べて、後片付けして、さらに子供やご主人のお昼の弁当も準備して、やれやれと思ったら、もう夕刻になって夕食の買い物に行かないといけない。

 

食事だけでも大変なのに、洗濯や掃除まであります。いっけんすると非生産的に見える家事が、実は、愛情の間接的伝達があるという側面を見落としてならないということです。

 

そうしないと、大切なものを失ってしまうことになります。愛情を込めた家事によって、夫や子供に大きな福が与えられるということです。

 

作家の遠藤周作の婦人である遠藤順子さんの著書に、「手間ひまかける気を入れる」という本があります。

 

何でもマニュアルに頼り、合理的に処理しようとする時代だが、それではいけない。家事・育児には気を入れる大切な側面がある。手間ひまかけることを惜しんではいけない。

 

偉人の背後にも、手間ひまかけて育ててくれた「偉人の母」がいるのです。もちろん、家事は女性だけのものではなく、男性も協力しながらやっていくことは大切であると思います。

 

失われつつある家事の持つ価値を見直すことも重要ではないかと思います。

 

 

実践のポイント

家事 

 

家事は愛情注入の尊い仕事

 

愛情を込めて料理・洗濯

 

丹精込めて部屋の整理整頓

 

手間ひまかけて「気」を入れる

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